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<法的地位>
USCGは連邦組織で運輸省に属し、合衆国の連邦海事法令を執行する海事機関です。また、Armed Forceであり、常に統合防衛組織の一員であります。かといって直ちに軍隊というわけではありませんが。
<所掌事務>
我々は、合衆国管轄海域及び公海上において連邦法令及び国際協定を執行し、有事の際に備えて軍事行動のとれる準備を進めています。
合衆国の管轄の有無にかかわらず、人命・財産の保護につとめます。
海洋環境の保全・向上も、われわれUSCGの責務です。これらは後程詳細に説明します。
<海事法令の執行>
まず薬物の密輸は深刻な問題で、密輸者を絶つことが我々の目標であります。また近年、密航者がしばしば危険な筏やボートなどで上陸を試みます。我々は国策・法の執行という観点からだけでなく、人道上の問題からもこれを阻止します。
海洋生物資源の保護も重要な任務で、我々は200海里排他的経済水域内の各種漁業関係法令を取締まります。漁業資源および漁民を守るためにも漁船への立入検査を実施しています。
我々はリクリエーションボートの安全を確保するため、ボートヘの立入検査も実施しています。その他連邦法令の執行及び国際協定を守るため、他の連邦の機関を補助し、法令執行能力の向上のため外国にも援助活動をしています。
<警備統計>
1994年 1995年
・密航者 65,000人 5,356人
・押収されたマリファナ 38トン 23トン
・押収されたコカイン 62,000ポンド 49,000ポンド
・薬物事犯検挙 71件 51件
・漁業関係立入検査 8,868件 12,634件
上記のように、94年にはかなりの密航事犯がありましたが、密航者はハイチ、キューバ、ドミニカ共和国、中華人民共和国といった国々からやって来ます。
我々は国家の薬物対策への重要な地位を担っており、需要及び供給を絶とうと努力しています。
特に95年は漁業関係立入検査が増加していますが、合衆国は225万平方海里ものEEZ-排他的経済水域を有し、世界の漁業資源の20%がこの海域内にあります。我々はEEZにおいても強力なプレゼンスを維持しているところであります。
<国家の治安維持>
我々は世界中で増加するテロ活動等に対して、国内外で港湾警備を実施していると同時に、国防総省との調整のもと、海上臨検拿捕活動や地域的な防衛の任を担っています。
<海上安全>
航行援助のため、51,000もの灯台、浮標、ビーコン等を運営しています。
捜索救助に関しては、我々は世界最大の勢力を保持しています。アラスカやハワイを含めた全米に広がる10のRCC(救助調整本部)、16の航空基地、166の船艇基地、及び240の巡視船艇を保有し

 

 

 

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